TK from 凛として時雨 TOUR 2021 “yesworld” 中野サンプラザ感想
夕方まで激しく降った雨が冷たく新緑を洗い、すっかり潤った空気に薄闇が滲む。
所狭しと並ぶ商店の柔らかな光や帰路に着く歩幅の違い。18時の中野駅前は様々な人の生活で溢れていた。
中野サンプラザはそんな喧騒からほど近い場所にあるが、建物周辺が小高くなっている為か日常から切り離されたように静かだった。
開場時間を過ぎていたので案内を待つ列に加わる。以前のライブでもこうして入場を待っていたなと思い出した。TKさんがTK from 凛として時雨形態で初めて東名阪を巡った2014年のcontrastツアーでは映像演出に驚いた。名だたるミュージシャンと共に出演した2018年のSUGIZOさんの半世紀生誕祭もアウェイな環境でも音楽で魅せていて素晴らしかった。
建物に入ってすぐ赤い絨毯の階段を登る。非日常の空間に一気にテンション上がるのはこの会場ならでは。重厚な扉を開けると傾斜がついた座席の頂上に出る。自分の座席を探しながら奥に見えるステージを何度も確認して、これからここでライブが始まるんだ…と気持ちが自然に整う。
今回も演者の表情は見えないがステージの演出はよく見える位置。PA卓がある列なので、TKさんが音が素敵とおっしゃっていたとおりの素敵な音に包まれた。
今回のツアーは配信ライブを劇場で公開した折に制作された新曲yesworldのツアーであり、昨年行われるはずだった彩脳レコ発ツアーのリベンジだと思っている。コロナ禍で挑戦や葛藤を抱えて音楽を届けているように思えて、自分にとっても意味のあるものにしたかったので情報を集め対策を徹底して臨んだ。
過去最多の感染者数が連日ニュースになったりツアー中に緊急事態宣言が発令され人の移動や集まる場所が厳しく規制されるなか、大阪を除いて延期または中止にならなかったのは、時雨やTKを含め様々なコンサート会場がこの一年で対策を徹底して成果を上げてきた評価だと思う。一方で、年始の緊急事態宣言中に決行された時雨ツアーでは整然と静かだった開演前の客席が、今回、近い距離や大きな声で会話する人々が全体的に比べると少数ながら目立っていて、緊張状態を長く保つのは難しいのかなと感じた。
他のライブ会場と同じく、中野サンプラザも会場スタッフの皆さんによって感染症対策が徹底されていた。制服をかっちり着こなしたスタッフがフェイスガードとマスクをつけて、地面に貼られた目印に沿ってソーシャルディスタンスを保つよう呼びかけていた。階段途中で手にアルコールスプレーを吹きかけられ、チケットは自分でもぎって箱の中へ。最後に特典のポストカードを渡され、立ち止まらないようアナウンスが繰り返されるなか扉をくぐる。騒つく客席に、感染症対策のため大きな声で会話はご遠慮ください、と、メガホンで呼びかけがあった。スタッフが話してる間も注意があった後もその前に比べて静かになったので安心した。
開演前の様子もライブの一部だと思っているので前置きが長くなったが、ここからライブの内容に触れていく。
大阪公演がまだだったり、横浜中野と映像の収録があったので配信の可能性も。
どの曲をどの順番でやったかは一番楽しみなことだと思うので、セットリストを抜き出してネット上にアップするのはやめてください。
セットリスト(転載不可)
01.unravel
02.鶴の仕返し
03.kalei de scope
04.Crazy Tampern
05.Dramatic Slow Motion
06.subliminal
07.インフェクション
08.彩脳-TK side-
09.凡脳
10.copy light
11.phase to phrase
12.蝶の飛ぶ水槽
13.Shandy
アンコール
14.Fantastic Magic
15.yesworld
16.P.S. RED I
MC
4曲目後 「ありがとう」
5曲目後 「TKです。こんばんは。(お辞儀数回。二階を見上げる)
この会場、僕。とても好きな会場で。
きっと皆さんが素晴らしい音に包まれていると信じて、最後まで楽しみたいと思います」
13曲目終「ありがとうございました。TKでした」
アンコール「ありがとうございます。(鳴り止まない拍手に何度もお辞儀)
毎回、寿命が縮まる想いでライブをやらせていただいてます。皆さんに来て良かったと一瞬でも思っていただけたら嬉しいです。最後まで楽しんでください」
各曲の印象的な部分。とりあえずメモを書き出したので後ほど見やすくします
開演前に収録のカメラが入ること、可能であれば立って下さいとアナウンスがあり、暗転して即立ち上がる人が多かった。
unravel
チーター柄なのか細胞なのかそういう模様が背景。変わってしまった〜で押さえるような動き。壊せる→自分を指す。壊せない→客席を指す。
TKのギターも光ってたけど吉田さんのベースがギラギラ光ってた(物理)
鶴の仕返し
静謐なイントロ。紺色の背景と少し暗いステージに左右上部から放射状の光。鶴が羽を広げるよう。仙台でも印象的だったけどステージ広いので映えてた。理想の造形で〜あなたの脳内〜で右手で歌詞の世界広げてた。決して開けないでTKにスポットその後タメ長めで僕の本当の〜。
ほのかさん片木さん前のめりにリズムとってるのシンクロしていてよかった。最後TKさんズンドコ的な動きしてた。
kalei de scope
緑ベースに紫の円柱的な照明。
ライブ名物!2回目のメリーゴーランドは低く乗せるぜ!!届くかなで手をクル〜と。
手に届かないほうは突き動かしたけど目に見えないほうは突き動かさなかった。
3点リーダーの真実の影は歌われず。
一瞬オレンジ。
Crazy Tampern
始まる前ギターめっちゃハウリングさせてテンション上がった。
縦方向の照明でTKさんほのかさん吉田さんは赤く、横方向の照明でBOBOさん片木さんが緑。
吉田さんベースでTKさん狙い撃ちしてるように見えた
空っぽになったら君にで客席指差し。会いに来たよ!!って夢女した。
赤と黄の光がグルグル
Dramatic Slow Motion
TKさん首を左右に振って疾走感醸してるの好きなんだけど片木さんも同じ動きしてた
青と白の照明が春から夏へ向かう爽やかな風さて感じさせる。
まるで映画のワンシーンはフィルムのような暗さ。
景色が虹色に変わるのもホールだとよりドラマチック
意識はディレイに〜の歌詞たぶん意図的に変えてた?聞き取れなかったけど自分がか自由が〜ていく。
(MC)
subliminal
アコギだ!緑のインスタント麺みたいな背景。
アッアッアンサー×2 アンサーアンサー×2
トラウマのスプーンで抉り出したあとのアッアッアンサーは低く歌ってた。
記憶に鍵をかけたあとWhere is myいっぱい言ってた。
イェー!で赤緑のチカチカ。
アコギ退場
インフェクション
背景が木の枝の影。そこに陽だまりのような温かい色の照明なので、新緑越しに太陽を見るよう。
小首傾げるように歌っていてあざといって思っちゃった。めちゃくちゃ高音しんどそうでしたが。
触れても届かないのあとドラム入るところでBOBOさんに身体ごと向けてガッツリみてた。
戻れない日々の輝きーを↘︎いまも…を低く歌ってた。
一番最後3台のカメラがほとんど同じ場所でTKを狙ってたのでよっぽど良いお顔してたんですかね。
彩脳-TK side-
入りが格好よすぎるしギターのエグさでTKサイドってわかるの凄く好き。
失いたくないで仰反るように歌っていてぐっときた。
まるで悪魔…の照明、暗い赤バックでてけふろの皆さんが青いシルエットになるの格好良すぎてゾクゾクした。悪魔的な演奏だし魅力的。
いい?でインコみたいに首うねうねしていてやはり鳥類。
あーあーあーーでリズミカルな動き。
凡脳
めちゃくちゃ早くなかったです?TKさんが歌う歌詞詰まってるけど息継ぎできてる?って切迫した印象受けて大丈夫かって心配しつつ興奮してた。
copy light
イントロなしで歌に入る曲だけど、暗いステージで前奏のようにギターがポロポロと鳴ってた。
TKさん片木さんにスポットで始まる。背景は霜柱みたいな絵。
薄い水色の照明がステージから広いホールに向けてゆっくり回りながら照らしていて、聴き手に問いかけるような歌なので、ぐっときてしまった。
高くスキャットするところでステージが一層目映く。
phase to phrase
バイオリンの美しい音色で始まり、ピアノがポロポロと加わったりBOBOさんが鈴を鳴らしたり。悲しくも情熱感じるような時間。
ギターの大きめな音とベースが加わり、例のイントロ。
蝶の飛ぶ水槽
前の曲といいこの曲もホールに映える。水中感がこの日のお天気にも合ってた。
仙台と同じく深い水の底にいるような照明。意識が〜でステージから伸びた照明が壁に当たって色鮮やかなお花のように。
不穏な間奏で中央から左右に流れる光の演出。
TKさんはマイクスタンドから距離をとり客席に背を向けながらヤバイ音出してた。
白と緑の乙女椿みたいな背景。
空になった、の歌い方がようじょ。
僕は誰に、で自分を指す。
擬憶で、で後ろに大きく仰反る。
Shandy
ここで茶色いギターが登場だぜ!
スモークずっとめちゃくちゃ焚かれてるけど特にヤバ。
暗闇と白でスローモーションなところ好き。各々弾き狂ったアウトロ、吉田さんのベース音が切れず退場も最後でした。
アンコール
(MC)
Fantastic Magic
ダイダイTをシャツインしてご登場。ベルトの余りが長い。
つい先日、アコースティックの盤聴いて横浜2ndで完全にエレクトロなバージョンやったの思い出してたので、あのときの興奮がホールで!と楽しかった。
最後の、カラーがわかるからは低く歌ってた。歌詞カードにない心のところ右向いて歌ってた。
yesworld
歌詞がアニメっぽく出てくる、signal to
white noiseのshowcase reflection方式。
一瞬、左端にmeltって出てきた。
連れて行くの?で縦線が道路を滑走するように動いてたの面白い。
サビで万華鏡のような綺麗な絵。
悲しみ達〜の直前、音が止まって間があってTKが歌い出すのホラー感増し増し。
映像作品みてるみたいだったけど、最後のお前には殺せないよを、いまのすべてで力強く歌い切っていて、仙台から始まったこのツアーで歌がより進化したと思ったし、激動の一か月で本当ならファイナルなのに大阪が宙に浮いたままになっているのも歌に込められていると思った。
P.S. RED I
舞台の外枠っていうのかな。ステージのまわりが赤いカーテンのドレープになっていて、一瞬で視界が開けたことと赤が飛び込んできてかなり興奮した。中野サンプラザだからこその演出。最高。
本当に格好良い曲。
TKさんが1階と2階に複数回お辞儀したり大きく合掌したりで退場。
BOBOさんもお辞儀しながら、ほのかさん片木さんは笑顔。吉田さんは客席に向かって皆さんに拍手送ります…ってジェスチャーで拍手してた。